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相対性理論ってなぜ相対性理論って言うの?【名前の意味で本質が分かる】

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対象:中学生以上

数式:なし

元ページ:子どもに「相対性理論って何?」と聞かれたときのために概要を分かりやすく解説してみた - Yukihy Life

 注:このページは、元記事の補足的役割をしています。

 

 

0はじめに

相対性理論というと、「時間が遅れる」「空間が曲がる」などという現象を思い浮かべるのではないかと思います。実際こういった現象というのは相対性理論から導かれることなのですが、これらはあくまで相対論の「現象」であって「本質」ではありません。

こういった現象にばかり目を向けていると、その本質が部分が見えなくなってしまい、アインシュタインが最も伝えたかったであろう部分が抜け落ちてしまう可能性があります。

 

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1 相対性理論の「相対性」とは?

展開1

本題です。*1

相対性理論というのはその名の通り、「相対的*2」である理論であります。では何が相対性というのかというと、「長さ」や「時間」のことです。

これらは通常、誰が見ても変わらない。つまり「絶対的*3」なものだと解釈されます。僕が見ても他の人が見ても「50cmものさしは50cm」「1秒は1秒」と思ってしまうからです。

しかし実際は“見る人によって50cmの長さは変わる*4”し、“見る人によって1秒の感じ方は変わる”という「相対的」なものだった。これが相対性理論の本質なのです。

 

「相対性」と言うからには、何かと何かを比較する必要があります。

つまり相対性理論というものは、必ず“〇〇から見ると、〇〇は、〇〇に見える”比べる文章になっていなければいけないのです。元のページの結果2・3を書きます。

結果2 光の速度に近い速さで動くものは、縮んで見える(特殊)

結果3 光の速度に近い速さで動くものは、時間が遅く流れる(特殊)

これらの文章は、本来相対性理論の結果を表す部分としてふさわしくありません。上に述べたことを踏まえると、本来

結果2 地球から見ると、光の速度に近い速さで動くものは、縮んで見える(特殊)

結果3 地球から見ると、光の速度に近い速さで動くものは、時間が遅く流れる(特殊)

と比べる文章にしなければいけないのです。*5

ここまでをまとめます。

まとめ①

相対論とは、今まで「絶対的」だと思っていた「長さ」「時間」というもを、見る人によって変わる「相対的」なものととらえる学問である。

 

展開2

また、「相対的」なものの例として、「速さ」があげられます。

例えば前に歩いている人がいるとします。この人は、止まっている人から見れば、当然前に向かっています。

しかし歩いている人以上のスピードを出している自動車に乗って、そこから見ると歩いている人というのはどんどん後ろに遠ざかって見えます

つまり「速さ」という概念は、誰が見るかによって変わる「相対的」なものなのです。

しかしここに例外が生まれました。それは「光」です。実験によると光の速さというのは、誰が見ても変わらないもの、つまり「絶対的」なものだったのです*6

これは光速度不変の原理というものです。

 

[以下やや発展]

再び例をあげます。止まっている人から光を見たら、当然光の速さで走っているように見えるでしょう。

一方、仮に光の速度の半分で走れる人がいたとして、この人から光を見たらどうでしょう?

光の速さを「相対的」とみるならば、走っている人から見ると光は光の速さの半分の速さで走っているのが見ることができます。

しかし上に述べたように光の速さは「絶対的」なものなので、走っている人から見てもやはり光は光の速さで走っているように見えるのです。

[やや発展終わり]

 

まとめ②

本来「速さ」とは見る人によって変わる「相対的」なものだが、「光」は例外で「絶対的」なものだった!

 

 

2 全体のまとめ

まとめ①とまとめ②をまとめると

①今まで“絶対的”だと思っていた「長さ」と「時間」は、実は“相対的”だった!!

②今まで“相対的”だと思っていた「光の速さ」は、実は“絶対的”だった*7!!

この2つが、相対性理論の本質と言え、相対性理論が相対性理論と呼ばれる所以であります。

ちょうど(距離)=(光の速さ)×(時間)という式に当てはめ(相対的)(絶対的)と色分けすると

相対論ができる前は、

(距離)=(光の速さ)×(時間)

でしたが、相対論ができたあとは、

(距離)=(光の速さ)×(時間)

と、常識を作り替えた理論とも言えます。

 

余談ですがアインシュタインは、相対性理論を

熱いストーブの上に一分間手をのせてみてください。まるで一時間がぐらいに感じられるでしょう。ところがかわいい女の子と一緒に一時間座っていても、一分間ぐらいにしか感じられない。それが相対性というものです。

と説明しています*8。つまりアインシュタインが最も強調したいのは、「時間が遅れる」とか、「空間が曲がる」とかではなく、現象というのは見る人によって変わる「相対的」なものなんだよ?ということなのです。「時間が遅れる」などというのは枝葉にすぎません*9

 

 

3 時間が遅れている!というのが納得いかない方へ

相対性理論というもので一番ある疑問としては、元記事の

結果3 光の速度に近い速さで動くものは、時間が遅く流れる(特殊)

への疑問です。おそらく時間がの流れが遅れるというのが納得いかないのだと思いますし、僕も思いました。

上で述べたことを使って説明をするのなら、

「時間」というのは“相対的”なものなんだ。だから見る人によって流れる時間というのは変わってしまうんだよ

というものになります。おそらくこんな説明をしても納得できないのは分かりますが、一つ言えるのは常識の範囲で考えてはいけないということです*10

物理学は主に数学を使って解いていきますので、「数学がそう表しているからそうなんだ」とも言えます。しかし全ての数学が正しいとは限らないので、様々な検証が行われなければいけません。

相対性理論はこうした検証に耐え、実験結果と整合性がとれる部分が見つかったので、無事理論として成り立ったと言えます。

数式を使った説明は、こちら中学校で習う数学の範囲でアインシュタインの相対性理論を分かりやすく解説する - Yukihy Life

でやっていますので参考にして下さい。

*1:相対論は特殊相対論から始まった理論なので、特殊相対論に重きをおきます

*2:対義語は絶対的

*3:対義語は相対的

*4:錯視ではなく、実際に変わります

*5:元ページは、なるべく文を短くするために入れませんでした。実際、少し難易度をあげた中学校で習う数学の範囲でアインシュタインの相対性理論を分かりやすく解説する - Yukihy Lifeでは入れています。

*6:[発展]ここでは簡潔さを優先してこのように書きましたが、マイケルソン・モーリーの実験から光速度不変が求まるという説は本来論理的に破綻しています。光速度不変とは原理であり、何かから求まるものではないのです。元記事のブコメでも曖昧な方がいたので一応

*7:[発展]何度もしつこいですが、ここでは簡潔さを優先してこのように書いていますが、光速度不変は本来導かれるものでなく要請ということになります。②を要請とすると①が結果として求まるという論理であり、最も重要なのは①であります。

*8:アインシュタインは、物理学による功績のみならず、人に説明する力が非常にあったと言われています。そういった意味でこの一連の記事よりも、アインシュタイン原著の本を読む方が良いのかもしれません。

*9:しかしあまりにも巨大な枝葉です

*10:説明の逃げですね…