電磁気学
電磁気学について見ていきます。
古典力学は17世紀にニュートンによる「プリンキピア」によって体系化され、そこから発展してきたのに対し、電磁気学はマクスウェルという人がそこまでに出ていたファラデーの法則やガウスの法則やアンペールの法則などをまとめ上げ、19世紀にマクスウェルの方程式というものを導きだしました。
このマクスウェルの方程式は古典力学の運動方程式のような立ち位置で、4つの方程式から成り立ちます。(電磁気のメインの式はオームの法則ではありませんよ。オームの法則はマクスウェルの方程式から導ける付属品のようなものです。)
この4つの方程式を理解することが、電磁気学の最終的なゴールとなります。
4つの方程式は積分形と微分形と両方ありますが、基本的には微分形の方が少しばかり難しく、本質的です。
ちなみにマクスウェルの方程式は、アバウトにこちらで簡単に説明しています。時間があるときにぜひ読んでみてください。
電磁気学は大学1年生にとってはおそらく最大の難関です。今後もっと難しいものはたくさん出てくるのですが、電磁気学を難しくしている要因は何と言っても数学でしょう。
古典力学では「線形代数」や「微分方程式」などを学んだと思いますが、電磁気では「ベクトル解析」という数学がメインとなります。
中学でも電流が流れるとその周りに磁場が発生しというように、電気と磁気というのは密接な関係があります。しかし電流と磁場の向きって違いましたよね?
このような、向きの違いを表現するために、電磁気の多くの式はベクトルによって表現されます。
さらに電流の周りに磁場が…というように、ベクトルの回転というものも数学として表現しなければいけません。このあたりが電磁気学を難しくしている要因でしょう。
まずはきっちり、div(ダイバージェンス)、grad(グラジエント)、rot(ローテーション)を数学として操れるようになり、さらにはガウスの定理、ストークスの定理を抑えておけば、一応は勉強を進めることができるでしょう。
電磁波まで勉強すると、フーリエ変換も必要になります。
それでは参考書をみていきます。
参考書の形式ですが、
①静電場・定常電流・静磁場など一つ一つの状況を見ていき、最終的にマクスウェルの方程式を完成する。その後ちょっと電磁波
②最初にマクスウェルの方程式はこうだよと4つ式を出しておいて、その式を静電場・定常電流・静磁場・電磁波などに適用していく
という二種類のものがあります。
基本的に②の方が難易度が高いです。っというかマクスウェルの方程式をググって見てみればわかりますが、初学者には意味が分かりません。一つ一つ扱ってくれる①を見た方がいいでしょう。
立ち読みをする際の参考にしていただければと思います。
【参考書】
おススメ度★★★☆☆
難易度★★☆☆☆
電磁気の参考書で有名な砂川さんの本です。著者に統一感があると読みやすいので、砂川さんオンリーでいくのもありでしょう。内容は非常に分かりやすいですし、一つ一つの説明も丁寧なので良いのではないかと思います。ただ筆者はこの小さめの本があまり好きではない。
おススメ度★★☆☆☆
難易度★★☆☆☆
物理入門コースです。わざわざ買うかと言われると微妙か?大学図書館にあると思うので、分からない問題があったら見るといったとこでしょうか。このシリーズは一見簡単そうに見えてけっこうややこしかったりするので筆者はあまり好きではありません。(おそらくページ制限とかの関係でしょうか)電磁気用の数学演習書のようなものがついているので、それを活用すると良いかもしれません。
おススメ度★★★★☆
難易度★★★★☆
表紙も題名もイカツソウデなく、なんだかとっつきやすそうな本ですが、中身は非常に難しく難易度の高いことも書いてあります。ただ分かり辛いことはないです。分冊でかなりのボリュームになっている分解説も多く、数学の作業になりがちな電磁気をきっちり理解できる本です。けっこうおススメ
おススメ度★★★★★
難易度★★★★☆
電磁気学の古典的名著です。最初の一章でマクスウェルの方程式を簡単に導き、その後細かな事象に展開しています。他の本でマクスウェルの方程式を導いた後に読むと、電磁気学とはこんなにスッキリしていたのか。と感動を覚えます。せっかく電磁気を勉強するなら、この感動を味わってほしいです。内容は堅苦しいですが、その分厳密で、言葉による説明もしっかりとしているので、驚くほど読みやすいと思います。ただ電磁波の章はかなり難易度の高いものも扱っています。後半に特殊相対論が含まれています。特殊相対論がどのような経緯で導入されたのかが非常に詳しくのっていて、読んでてワクワクします。しかし肝心の相対論の内容は、しっかり相対論の本で学習した方がいいかな…とも思います。
- 作者: J.D.ジャクソン,John David Jackson,西田稔
- 出版社/メーカー: 吉岡書店
- 発売日: 2003/02
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 2回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
おススメ度★★☆☆☆
難易度★★★★★
ジャクソン電磁気学の和訳です。自分は完全に読んだことはないですが、非常に厚い本がまるまる二冊あり、扱っている内容は難易度の低いものから高いものまで扱っています。マニアは全部読み通すのでしょうか?僕はそこまでの気力がないので、分からないことがあったときなどに辞書代わりとして使っています。メインの一冊にするのはちょっと…というところです。
おススメ度★★★★☆
難易度★★☆☆☆
古典力学のところでも言ったように、ファイマン物理学は教科書として使うのはふさわしくなく、一通り電磁気学を勉強した人が読み物として活用するものですね。非常におもしろく読む価値はあります。
【入門書】
難易度★★☆☆☆
入門書ですが、かなりしっかりしている本です。
難易度★☆☆☆☆
高校で物理を履修しなかった人向けだそうですが、正直そういう人がいきなりこれはキツイです。マクスウェルの方程式の積分形がゴールです。
難易度★☆☆☆☆
どうしても分からなければどうぞ