古典力学
一つ断っておきたいのは、大学1年生はおそらくどの教科書を見ても難しく感じます。そしてどの教科書をもっても「この教科書は親切でない!」と思うでしょう。
しかし実際、大半の教科書は本当に分かり辛いです。何回も読んでやっと分かるものと思ってください。
大学受験の参考書は非常に平坦に書かれたものが多く、大学1年生はそことのギャップに一番つまづくというか、勘違いが起こりやすいのだと思います。
大学の教科書は分かりやすさ<<<厳密性です
古典力学の概観
古典力学は、内容としては高校のときの力学を、大学形式(微分や積分の形)に直していく作業がメインとなります。直していく過程で様々な計算につまずくでしょう。
つまり古典力学を勉強する上で大切なのは、新しいことはあんまり分からないけど、勉強をすることで今後必要な計算を身につけていく。ということです。
めんどうでもいちいち紙を用意して計算をやっていくことで、今後他の強化をやる上での基礎体力となります。そういう意味でもしっかりやっておくべきであり、最初に学ぶべき理由です。
【参考書】
おススメ度★★★★★
難易度★★★☆☆
力学ではこの教科書が名著です。おそらく最も多くの大学で使われているのでは?
僕もこれで勉強しました。しかし大学1年生にとってこの教科書は難しいと思います。ただ何につまづくのかも分かります。それは数学です。「書いてあることは分かるけど数学がよう分からん!」読む気うせますよね
初めてこの本を読んだらどの人もそう思いますので、焦らずに「線形代数」もしくは「微分方程式」とかかれた数学の教科書も購入してじっくりやっていきましょう。
その後もう一度こちらに戻ると、一気に視界が開けたように感じます。
ちなみにこの本は難易度としては標準的です。普段計算も物理もわりと置いてけぼりな筆者でもそう思いますので、それは正しいと思います。
ちなみに古典力学の学習はこれのみで十分です。(一応相性の関係もあるので、下に別の本も載せますが…)この本一冊で、ニュートン力学、解析力学両方とも含まれているのでお得です。解析力学は一年生には難しいので、興味のある人か、二年生の後半、三年前半あたりで学んでください。
上の黄色いやつの分冊です。ニュートン力学と解析力学で分かれています。
中身もほぼ同じなので、物理学科生はどっちみち解析力学やるんで黄色いやつにしたほうがいいでしょう。
おススメ度★★☆☆☆
難易度★★★☆☆
物理入門シリーズです。1年生は今後お世話になる可能性が高いシリーズなので覚えておくと良いです。肝心の中身は、原島さんの力学を少し簡単にした程度で、難易度はあまり差はありません。ですが原島さんのテキストの方がわかりやすいので、そちらの方を買えばあまりこの本はいいです。おそらく図書館にある可能性が高いので、そこでちょいちょい見る程度ですかね?悪くない本ですが、原島さんのがあるのであまりね…って感じです。
- 作者: ゴールドスタイン,サーフコ,ポール,Herbert Goldstein,John Safko,Charles Poole,矢野忠,渕崎員弘,江沢康生
- 出版社/メーカー: 吉岡書店
- 発売日: 2006/07
- メディア: 単行本
- クリック: 7回
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おススメ度★★★☆☆
難易度★★★☆☆
有名なゴールドスタインです。実際に書店などで見てみると分かりますがものすごい厚いです。内容は非常に細かい現象まで扱っていて、かつ一つ一つの解説も分かりやすいのですが、これを全部学ぶ必要があるかというとちょっと…といったところです。初めて学ぶ本としては決しておすすめしません。正直ここまで古典力学に時間をかけて勉強するなら電磁気や熱力学にいった方がいいとも思いますし、辞書的に使うのが一番適しています。それでも古典力学を極めたい!っていう人は時間があればやってみても…ってとこ?
- 作者: エリ・ランダウ,イェ・エム・リフシッツ,広重徹,水戸巌
- 出版社/メーカー: 東京図書
- 発売日: 1986/04
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 42回
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おススメ度★★★☆☆
難易度★★★★★
これも超有名なランダウ・リフシッツです。このシリーズは非常に非常に難易度が高い本で、難しい本が好きな教授とかはおススメしてきたりします。ただ一ページ目を開いてもらえばもうすでに雰囲気が普通の力学の教科書と違い、全て解析力学によって説明をしています。この本は一年生は読むべきではないし(一部天才除く)、僕も到底理解したとは言えないものです。この本の立ち位置としては、ニュートン力学の一般的なものを学び、解析力学の一般的なものを理解した人が、最初にやったニュートン力学を全て解析力学に書き直してみよう!という本です。なのでこの本を使う前にきちっと土台を作る必要があります。この本を支持する人の一つの理由に、この薄さでこのボリュームが書かれている!素晴らしい!という方がいますが、その分式変形の行間が空きまくっているので、自分で計算して埋めていく必要があります。そういった意味で、パズルを解くような感覚が頭の良い人を刺激するのでしょう。正直必ずしもやる必要のある本ではないですが、類書はないでしょう。
おススメ度★★★★☆
難易度★★☆☆☆
ファイマンが実際に大学で行った講義を文章におこしたものです。最初に言っておかなければいけないのですがこのファイマン物理学は教科書ではありません。読み物です。それでも間違いなく難易度は大学レベルであり、単調になりがちな古典力学を一味も二味も変えていろんな視点からアプローチしている本です。非常におもしろく、ためになります。ぜひ読んだ方がよいでしょう。注意点としては、教科書ではないということです。この本を最初に読んでもわけが分からず感動は薄いです。なので一回きちんと古典力学を教科書で勉強してから、この本を読むことでいろんな視点が得られ、楽しい。という本です
【入門書】
有名どころを載せておきます
スバラシク実力がつくと評判の力学キャンパス・ゼミ―大学の物理がこんなに分かる!単位なんて楽に取れる!
- 作者: 馬場敬之
- 出版社/メーカー: マセマ
- 発売日: 2013/12
- メディア: 単行本
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こういった本を毛嫌いする人はいますがなめたらいけませんよ。
最後の解析力学の本はけっこう、というか普通に専門書並みに難しいです。
よくわかるシリーズは本と対応したサイトを前野さんが運営してくれていて、質問することも可能ですのでおススメです。
ただ若い本なので誤植多いのが難点ですが、誤植もホームページにまとめられてます。
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